千月堂 インドネシア語講座

【インドネシア語講座 #5】疑問文の作り方 ― ベチャ(becak)に乗って値段交渉してみよう

今日の題材は ベチャ(becak) です。ベチャとは、インドネシアの伝統的な人力三輪タクシーのこと。前方に客席、後方に運転手がいて、ペダルを漕いで進みます。ジャカルタやスマランなど、ジャワ島の都市部では今でも現役の交通手段です。

筆者は1989年から1995年までスマランに住んでいましたが、ベチャは日常の足でした。学校帰りや買い物に、よくベチャに乗ったものです。乗る前にまず行き先を伝え、値段を交渉する――これがベチャの基本です。この「交渉」のやりとりには、疑問文がたくさん出てきます。

今回は、このベチャ文化を題材に、インドネシア語の疑問文の作り方を学んでいきましょう。


以下はベチャの場面を想定した独自例文です(実際のメディア記事からの引用ではありません)。

  1. Apa ini becak? (これはベチャですか?)
    1. Siapa tukang becak itu? (あのベチャの運転手は誰ですか?)
      1. Berapa ongkosnya ke Pasar Johar? (ジョハル市場までいくらですか?)
        1. Di mana pangkalan becak? (ベチャ乗り場はどこですか?)
          1. Ke mana tujuannya, Pak? (お客さん、どちらまで?)
            1. Kapan becak mulai beroperasi? (ベチャは何時から営業していますか?)
              1. Kenapa harganya mahal sekali? (なぜこんなに値段が高いのですか?)
                1. Bagaimana cara naik becak? (ベチャの乗り方はどうすればいいですか?)
                2. ※ これらは学習用に作成した独自例文です。


ポイント1: 疑問詞の種類

インドネシア語の疑問詞を一覧で整理しましょう。

疑問詞意味例文
apa何 / ~ですかApa ini becak?これはベチャですか?
siapaSiapa nama Anda?お名前は?
berapaいくつ / いくらBerapa harganya?いくらですか?
di manaどこに(場所)Di mana stasiun?駅はどこですか?
ke manaどこへ(方向)Ke mana tujuannya?どちらへ?
dari manaどこからDari mana asalnya?どちらの出身ですか?
kapanいつKapan berangkat?いつ出発しますか?
kenapa / mengapaなぜKenapa mahal?なぜ高いの?
bagaimanaどのようにBagaimana caranya?どうやるの?

日常会話のコツ: kenapa と mengapa は同じ意味ですが、日常会話では kenapa のほうが圧倒的によく使われます。mengapa は書き言葉やフォーマルな場面向けです。


ポイント2: berapa を使った値段交渉

ベチャに乗るとき、最も大切なのが値段交渉です。berapa を使った表現をマスターしましょう。

基本パターン:

インドネシア語日本語場面
Berapa ongkosnya?料金はいくらですか?乗る前に確認
Berapa ke Pasar Senen?パサール・スネンまでいくら?行き先を指定して交渉
Berapa harganya?値段はいくらですか?買い物でも使える万能表現
Bisa kurang?安くなりますか?値切るときの定番
Berapa kalau pulang pergi?往復だといくら?往復交渉

交渉の流れ(会話例):

客: Bang, ke Pasar Johar berapa?(お兄さん、ジョハル市場までいくら?)

運転手: Dua puluh ribu, Pak.(2万ルピアです。)

客: Wah, mahal. Lima belas ribu, ya?(えー、高いなあ。1万5千ルピアでどう?)

運転手: Ya sudah, naik.(しょうがない、乗りな。)

スマランに住んでいた頃、この交渉が毎回の楽しみでした。最初は言い値で払っていましたが、慣れてくると「Bisa kurang?」が自然と口から出るようになります。


ポイント3: apa を使ったYes/No疑問文

インドネシア語でYes/No疑問文(「はい」か「いいえ」で答える質問)を作るには、文頭に apa または apakah を置く方法があります。

平叙文Yes/No疑問文
Ini becak.(これはベチャです。)Apa ini becak?(これはベチャですか?)
Becak ini bisa ke sana.(このベチャはそこへ行ける。)Apakah becak ini bisa ke sana?(このベチャはそこへ行けますか?)
Dia tukang becak.(彼はベチャ運転手だ。)Apa dia tukang becak?(彼はベチャ運転手ですか?)

答え方:

  • Ya.(はい。)
  • Bukan. / Tidak.(いいえ。)

※ bukan は名詞の否定、tidak は動詞・形容詞の否定に使います(否定文は次回 #6 で詳しく扱います)。

日常会話のポイント: 実は、日常会話では apa/apakah を省略して、イントネーション(語尾を上げる)だけで疑問文にすることがとても多いです。

  • Becak ini ke Pasar Johar?(このベチャ、ジョハル市場まで行く?) ← 語尾を上げるだけ

疑問文の語順(文頭 / 文末どちらでもOK)

インドネシア語の疑問詞は、文頭にも文末にも置けます。意味は同じですが、ニュアンスが少し変わります。

文頭に置く(フォーマル寄り)文末に置く(カジュアル)
Ke mana tujuannya?Tujuannya ke mana?
Berapa ongkosnya?Ongkosnya berapa?
Di mana pangkalan becak?Pangkalan becak di mana?
Kapan becak datang?Becak datang kapan?

日常会話では文末に置くパターンのほうがよく使われます。ベチャの運転手に話しかけるときも、「Ke Pasar Johar berapa?」のように疑問詞を後ろに持ってくるのが自然です。


単語意味例文
becakベチャ(人力三輪車)Saya naik becak ke pasar.(私はベチャで市場へ行った。)
tukang becakベチャの運転手Tukang becak itu sudah tua.(あの運転手はもう年配だ。)
ongkos運賃・料金Berapa ongkosnya?(運賃はいくら?)
tujuan目的地・行き先Ke mana tujuannya?(どちらまで?)
pangkalan乗り場・たまり場Pangkalan becak ada di depan pasar.(ベチャ乗り場は市場の前にある。)
naik乗るNaik becak, Pak?(ベチャに乗りますか?)

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