#29 meN-kan(使役・他動詞化)

レベル: 中級1

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今日の題材

インドネシアは近年、スタートアップ大国として東南アジアで注目を集めています。配車・決済アプリの Gojek や、EC大手の Tokopedia(現GoTo)、旅行予約の Traveloka など、インドネシア発のユニコーン企業が次々と誕生しました。起業を意味するインドネシア語は berwirausaha ですが、ビジネスの文脈では「売上を伸ばす」「サービスを拡大する」「品質を向上させる」といった表現が頻繁に登場します。

これらの「〜させる」「〜にする」にあたる表現が、今回学ぶ接辞 meN-kan です。自動詞や形容詞を他動詞に変えたり、「誰かのために〜する」という意味を加えたりする、中級文法の要となる接辞です。



例文

以下はすべて独自例文です(実在の記事からの引用ではありません)。

1. Perusahaan itu berhasil meningkatkan jumlah pengguna dari satu juta menjadi sepuluh juta dalam dua tahun. (その企業は2年間でユーザー数を100万人から1,000万人に増加させることに成功しました。) 2. Pendiri Gojek membuatkan solusi transportasi bagi jutaan warga Jakarta. (Gojekの創業者はジャカルタの数百万の市民のために交通の解決策を作りました。)


文法の説明

ポイント1: meN-kan の基本 ― 自動詞・形容詞→他動詞化

meN-kan は、自動詞や形容詞に付けて他動詞に変える働きをします。「〜させる」「〜にする」という意味になります。

語根(自動詞・形容詞)meN-kan 形(他動詞)意味の変化
tingkat(段階)meningkatkan向上させる
besar(大きい)membesarkan大きくする
turun(下がる)menurunkan下げる・降ろす
panjang(長い)memanjangkan長くする・伸ばす
dekat(近い)mendekatkan近づける
jelas(明らかな)menjelaskan説明する(明らかにする)

meN- の音変化ルール(復習):

例文(独自例文):


ポイント2: meN-kan = 「〜のために〜する」(受益者構文)

meN-kan には「誰かのために〜してあげる」という意味もあります。この場合、動詞の目的語は「してもらう人」ではなく「行為の対象物」になり、「〜してあげる相手」は間接目的語として現れます。

語根meN-kan 形意味
beli(買う)membelikan(人に)買ってあげる
buat(作る)membuatkan(人に)作ってあげる
ambil(取る)mengambilkan(人に)取ってあげる
kirim(送る)mengirimkan(物を)送る
cari(探す)mencarikan(人のために)探してあげる
構文意味
主語 + meN-kan + 人 + 物(人)に(物)を〜してあげる(一般的)
主語 + meN-kan + 物 + untuk + 人(人)のために(物)を〜してあげる(untukを使う形)

例文(独自例文):


ポイント3: meN- と meN-kan の違い

同じ語根でも、meN- だけの形と meN-kan 付きの形では意味が変わることがあります。-kan が付くと「他者のために」「結果を生み出す」というニュアンスが加わります。

meN- 形意味meN-kan 形意味
menulis書く(一般動作)menuliskan書き記す・書いてあげる
membaca読む(一般動作)membacakan読んであげる(読み聞かせる)
makan食べるmemakankan※ほぼ使わない
minum飲むmeminumkan飲ませる
masak料理するmemasakkan料理してあげる

例文(独自例文):

覚え方のコツ: meN-kan が付くと「動作の結果が誰かに届く」イメージです。menulis は「書く行為」そのもの、menuliskan は「書いた結果を記録として残す・誰かのために書く」という違いがあります。



基本単語

単語意味例文
meningkatkan向上させる・増加させるKami ingin meningkatkan kualitas produk.(私たちは製品の品質を向上させたいです。)
membesarkan大きくする・育てるOrang tua membesarkan anak dengan penuh kasih sayang.(両親は愛情を込めて子どもを育てます。)
menjelaskan説明するBisa tolong jelaskan lagi?(もう一度説明してもらえますか?)
menurunkan下げる・降ろすPemerintah menurunkan harga BBM.(政府は燃料価格を引き下げました。)
membelikan買ってあげるAyah membelikan mainan untuk anak.(父は子どもにおもちゃを買ってあげました。)
membuatkan作ってあげるDia membuatkan makan malam untuk keluarga.(彼は家族のために夕食を作りました。)
mengirimkan送るSaya mengirimkan paket ke Surabaya.(私はスラバヤに荷物を送りました。)
membacakan読んであげるGuru membacakan cerita di kelas.(先生はクラスで物語を読んであげました。)
menuliskan書き記すDia menuliskan idenya di papan tulis.(彼は自分のアイデアをホワイトボードに書き記しました。)
perusahaan企業・会社Perusahaan itu berkembang pesat.(その企業は急成長しています。)


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実は、-kan を付けるか付けないかで、相手に与える印象や「責任の所在」まで変わってしまうことがあります。この違いを理解していないと、意図せず失礼な言い方になったり、指示が曖昧になったりするリスクも。

→ 有料記事では、日本人学習者が最も頭を悩ませる「-kan」と「-i」の決定的な違いや、ネイティブが直感的に使い分けている「動作の完遂」のニュアンスを、さらに深い例文とともに徹底解説します。


応用単語

単語意味例文
memberikan与えるDia memberikan hadiah.(彼はプレゼントをあげた。)
menyediakan用意するRestoran menyediakan menu vegetarian.(レストランはベジタリアンメニューを用意している。)
menunjukkan示すData menunjukkan peningkatan.(データは増加を示している。)


豆知識

meN-kan は他動詞を作る最も生産的な接辞の一つです。形容詞に付けると「〜にする」(使役)になり、名詞に付けると「〜を行う」になります。ビジネスインドネシア語では特に頻出で、ニュース記事でも毎段落のように登場します。


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meN-kan と meN-i の使い分けは中級の最大の山場です。有料記事では両者の違いをパターン別に整理します。


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