千月堂 インドネシア語講座

【インドネシア語講座 #2】me-/men-/mem-/meny-/meng- 接頭辞(能動態の動詞を作る) ― インドネシア料理で学ぶ

今回の題材は、インドネシアを代表する料理「ナシゴレン(nasi goreng)」です。nasi は「ご飯」、goreng は「炒める」という意味で、直訳すると「炒めご飯」、つまりチャーハンのことです。インドネシアの屋台からレストランまで、どこでも食べられる国民食であり、2011年にはCNNの「世界で最もおいしい料理ランキング」で第2位に選ばれたこともあります。

今回はこのナシゴレンの調理をテーマに、インドネシア語の重要な文法「me- 接頭辞」を学びましょう。

以下はすべて学習用に作成した独自例文です。

  1. Ibu memasak nasi goreng untuk makan malam.\
  2. (お母さんが夕食にナシゴレンを作る。)

    1. Adik memotong bawang merah dengan pisau.\
    2. (弟/妹が赤タマネギをナイフで切る。)

      1. Kita harus mencuci sayuran sebelum memasak.\
      2. (料理する前に野菜を洗わなければならない。)

        1. Ayah menyalakan kompor untuk menggoreng nasi.\
        2. (お父さんがご飯を炒めるためにコンロの火をつける。)

          1. Kakak mengaduk nasi goreng supaya tidak gosong.\
          2. (お兄さん/お姉さんが焦げないようにナシゴレンを混ぜる。)

ポイント1: me- 接頭辞の基本ルール

インドネシア語の動詞には、語根(kata dasar)に接頭辞 me- をつけて「能動態の動詞」を作るルールがあります。me- は語根の先頭の子音に応じて、以下のように形が変わります。

接頭辞語根の先頭例(語根 → 変化後)意味
me-l, m, n, r, w, y, ny, ngmasak → memasak料理する
mem-b, f, p*, vpotong → memotong切る
men-c, d, j, t*cuci → mencuci洗う
meny-s*saji → menyaji供する
meng-a, e, g, h, i, k*, o, u, khgoreng → menggoreng炒める
menge-1音節の語根lap → mengelap拭く

重要: p / t / s / k の脱落ルール

語根が p, t, s, k で始まる場合、接頭辞がつくとその子音が消えます(鼻音化)。

語根変化説明
potong(切る)mem~~p~~otong → memotongp が消える
tulis(書く)men~~t~~ulis → menulist が消える
sapu(掃く)meny~~s~~apu → menyapus が消える
kirim(送る)meng~~k~~irim → mengirimk が消える

覚え方は「P-T-S-K は消える」です。ただし外来語(例: transfer → mentransfer)では消えないこともあります。

上の独自例文を確認してみましょう。

  • masak → memasak(me- + masak。m で始まるのでそのまま me-)
  • potong → memotong(mem- + ~~p~~otong。p が脱落)
  • cuci → mencuci(men- + cuci。c で始まるので men-)
  • nyala(語根 nyala に me- と -kan を付けて menyalakan)
  • goreng → menggoreng(meng- + goreng。g で始まるので meng-)
  • aduk → mengaduk(meng- + aduk。母音 a で始まるので meng-)

ポイント2: 書き言葉 vs 日常会話

教科書やニュース記事では me- 接頭辞が正しく使われますが、日常会話では me- を省略するのが普通です。

書き言葉(正式)日常会話(くだけた表現)意味
Saya memasak nasi goreng.Saya masak nasi goreng.私はナシゴレンを作る。
Dia memotong bawang.Dia potong bawang.彼はタマネギを切る。
Tolong mengaduk nasinya.Tolong aduk nasinya.ご飯をかき混ぜてください。

日常会話で me- 接頭辞をつけると、少し堅い印象になります。新聞記事やスピーチでは接頭辞を省略しません。この講座では、どちらの場面で使うかを意識して学んでいきましょう。

ポイント3: me- 接頭辞と目的語の関係

me- 接頭辞がつく動詞の多くは他動詞(目的語をとる動詞)です。

能動態(me-)と受動態(di-)の関係:

能動態(me-)受動態(di-)意味
Ibu memasak nasi goreng.Nasi goreng dimasak oleh ibu.ナシゴレンはお母さんによって作られる。
Adik memotong bawang.Bawang dipotong oleh adik.タマネギは弟によって切られる。

能動態の me- を di- に変えるだけで受動態になります。di- は語根にそのままつけ、me- のような鼻音化は起きません(dipotong であって ~~dimotong~~ ではありません)。

受動態(di-)は第3回で詳しく扱いますので、ここでは「me- の対になるのが di-」とだけ覚えておいてください。

インドネシア語意味例文
nasiご飯(炊いた米)Nasi sudah matang.(ご飯が炊けた。)
goreng炒める・揚げるAyam goreng(フライドチキン)
masak料理するIbu masak di dapur.(お母さんが台所で料理する。)
adukかき混ぜるAduk terus supaya rata.(均一になるようにずっと混ぜて。)
bawang merah赤タマネギ(エシャロット)Bawang merah harganya naik.(赤タマネギの値段が上がった。)
komporコンロ・ガスレンジNyalakan kompor dulu.(まずコンロをつけて。)

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